1970年代になると、雪男探索自体には何の進展もないが、雪男はオカルトものの一環として息を吹き返す。この時代には、ヒマラヤのイエティよりも北米のサスカッチ/ビッグ・フットの人気が高かった。その理由は例の「パターソン・フィルム」にあるのだが、それも現在では捏造であることが明らかになっている。
すばらしい世界旅行 雪男探検隊 ヒマラヤ
1971秋(30分) 日本テレビ
日本テレビ運動部ディレクター谷口正彦が、職を辞して5名からなる探検隊を率い、1971年1~6月ネパール・クーンブ山群、アンナプルナ山群で雪男探索を行った記録。ニワトリを囮に使った餌付け作戦、童謡のテープを流すおびき出し作戦など、テレビマンらしくユニークだが効果的とは思えないアイディア満載。例によってパンボチェ寺所蔵の雪男の頭皮?も登場。
参考:
・毎日新聞
・谷口正彦 (1971) 『雪男をさがす イエティを訪ねて』. 文藝春秋.→ 改題再発 : (1974) 『まぼろしの雪男』. 角川文庫.
火曜スペシャル 現代の謎 空飛ぶ円盤・雪男・ネス湖の怪獣
1972夏(86分) 日本テレビ
3つのオカルト・トピックスを扱ったスペシャル番組(意外にも、最初から「木曜スペシャル」ではなかったのだなあ)。これがヒットし、オカルト特番は1970年代日本テレビのお家芸となる。雪男関連では、主に前年の谷口隊の映像(ネパール・クーンブ山群&アンナプルナ山群)を利用したものとみられる。
参考:
・毎日新聞
・谷口正彦 (1971) 『雪男をさがす イエティを訪ねて』. 文藝春秋.→ 改題再発 : (1974) 『まぼろしの雪男』. 角川文庫.
金曜スペシャル 三浦雄一郎 エベレスト氷河大滑降
1975初(55分) 東京12チャンネル
三浦一家のスキー遠征に密着。氷河での滑降に加え、キャラバンの様子やお馴染みのパンボチェ寺の雪男頭皮なども紹介。
参考:
・毎日新聞
・読売新聞
ビックリッ子大集合! 怪奇ミイラ大特集
1975秋(60分) 東京12チャンネル
河童のミイラ、鬼のミイラという胡散臭いものに混じって、お馴染みネパール・クーンブ山群パンボチェ寺の雪男頭皮(胡散臭さではこちらも負けていないが)が紹介されたようだ。
参考:
・毎日新聞
土曜スペシャル ミステリアス・モンスター!幻の猿人?ビッグフット徹底追跡
1980初(85分) 日本テレビ
世界各地で報告されている雪男を特集。特に北米のビッグフットに注目。ヒマラヤのイエティについても触れる。
参考:
・朝日新聞
ジュニア文化 ヒマラヤの雪男
1980夏(30分) NHK教育
出演:朝日稔(動物学者)ほか。
詳細不明。
参考:
・朝日新聞
ズームイン!!朝! ネパール・シリーズ(全20回) (18) ヒマラヤの雪男
1981初(10分程度か?) 日本テレビ
朝の情報番組の一コーナーとして4週にわたり放映された。カトマンドゥ盆地を中心にクーンブ山群へのトレッキングなども紹介している。そこで雪男について1回使っている。
参考:
・朝日新聞
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1980年代、雪男ブームはすっかり去っている。そんな中、フィリピン・ルバング島で小野田寛郎・元少尉を発見した鈴木紀夫は、地道にネパールで雪男探索を続けていた。しかし目立った成果はなく、TV番組が作られることもなかった。鈴木は1986年末、ダウラギリ山群コーナボン・コーラでの雪男探索中に、雪崩に巻き込まれて死去。
【 1988小野田寛郎の鈴木紀夫追悼ヒマラヤ登山関連 】
鈴木氏死去の報を受けた小野田氏(当時はブラジル在住)が、報道各社の協力を得て、1988年1月ダウラギリ山群コーナボン・コーラの事故現場までの追悼登山を行った。
参考:
・小野田寛郎 (1988) 『わが回想のルバング島 情報将校の遅すぎた帰還』. 朝日新聞社, 東京.
・越後屋浩二 (1992) 『冒険家の魂 小野田元少尉発見者鈴木紀夫の生涯』. 光風社出版.
ニュース・シャトル ヒマラヤへ涙の登山 ほか
1988初 テレビ朝日
ニュース番組の一コーナー。小野田氏による追悼登山の速報。
参考:
・朝日新聞
ヒマラヤに"別れの歌"が・・・ ルバング島より帰還した元陸軍少尉小野田寛郎と若き冒険家の熱い友情
1988春(54分) テレビ朝日
語り:佐藤慶
トレッキング経験もない小野田氏が、いきなりダウラギリ山群奥地まで足を運んだとは驚きだが、長年のサバイバル生活はやはり伊達ではない。それにしても、生前には全く無視されてきた鈴木の雪男探索活動が、没後になってようやく取り上げられるとは皮肉である。
参考:
・朝日新聞
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アニメ モンタナ・ジョーンズ (6) 雪男はチベットがお好き
1994春 NHK総合
詳細不明。
参考:
・NHKアーカイブス
http://www.nhk.or.jp/archives/
日曜スペシャル 緊急スクープ!伝説の雪男を80日間大追跡!!
1995初(85分) フジテレビ
制作:ユーコム
1994年夏、冒険家 故・鈴木紀夫氏の息子・大陸君を交えて、ダウラギリIV峰南麓コーナボン・コーラで雪男を捜索。シェルター、足跡、怪しげな二足歩行動物の姿を認める。(注)
ヒマラヤ最後のロマン 雪男の謎に挑む! 2003イエティ捜索隊の全記録
2003末(85分) テレビ朝日
制作:TSP
1994年夏にダウラギリIV峰南麓コーナボン・コーラで雪男調査を行ったグループが、2003年夏9年ぶりに調査を行った。
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1990年代~2000年代は調査未了につき、不十分なリストになっています。
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こうして見ると、日本の雪男探索は1980年代末以降、鈴木紀夫の後追いが目立ちます。それは近年の角幡(2011)にまで引き継がれているのですが、「雪男探索は有望なコーナボン・コーラに収斂していった」というわけではなく、「雪男情報もネタ切れ」ということなのでしょう。
雪男に関する議論は、1950年代には異常な盛り上がりを見せました。それ以降ヒマラヤに入る人は格段に増えているのに、雪男情報は逆に激減しているありさま。それだけでも、雪男の存在を疑わせるのに充分なものでしょう。
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(注)
他サイトにこれと同一の文章がありますが、それはもともと私が提供した文章そのままです(そういったものは、そこには大量にありますが、明示は一切ありません)。よってここでもそのまま掲載します。
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