チベットかインド行きたい
終わり
stod phyogsとは、チベット語で「上手方面」の意味。チベットを東西に流れる大河ヤルツァンポの上手側=西部チベット、そしてさらに西の方 にあたります。
2015年12月26日土曜日
2015年12月24日木曜日
久々に本郷でチベット関係書籍を
4冊ほど買いました。
最近仕事が忙しくて、当blog関係の調べものも低調。全然進まない。すいません。
本郷に行ったのも、目的地は東大なんですが、チベット方面とは全く関係ない用事。
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本郷に行ったのも久々だったので、中文書店にも行ってみました。昔はよく行ってたけど、5年ぶりくらいかなあ。
そしたら、チベット関係中文書が100円とか200円で転がってるではありませんか。ええ、買いましたよ。4冊600円(笑)。
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・漢藏対照詞典協作編纂組(1991.1)『漢藏対照詞典 རྒྱ་བོད་ཤན་སྦྱར་ཚིག་མཛོད། rgya bod shan sbyar tshig mdzod/』. 2+2+26+1448pp. 民族出版社, 北京.
Goldsteinの英蔵辞典、カワチェンの辞典でも時々物足りないことがあるので、これはきっと使うでしょう。年に数回?(笑)それにしても重かった。
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・洲塔(1996.1)『甘粛藏族部落的社会與歴史研究』. 564+17pp. 甘粛民族出版社, 蘭州.
アムドのこの手の本も、何冊かすでに持ってるんだけど、ほとんど使う機会がない。でも安いのがあると買っちゃう。病気ですな。
この本では、地名にチベット文字表記があるので助かる。チベット文字表記が全くない『中国藏族部落』を補完するのに使おう。
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・王堯 དབང་རྒྱལ་ dbang rgyal+陳践 བསོད་ནམས་སྐྱིད་ bsod nams skyid・訳注(1992.2)『敦煌本吐蕃歴史文書 ཏུནཧོང་ནས་ཐུན་པའི་བོད་ཀྱིལོ་རྒྱུས་ཡིག་ཆ། tun hong nas thun pa'i bod kyi lo rgyus yig cha/ (増訂本)』. 212pp.+pls. 民族出版社, 北京.
これは、敦煌文献の主要部の藏文・中国式Wylie転写・中文訳が載っているものです。藏文印影もあり非常に使いでがあります。1990年代の中国印刷物ですから写真はすこぶる不鮮明ですが、あるだけでも素晴らしい。
普段、敦煌文献で調べものをする時は主に
・黄布凡+馬徳・編著(2000.6)『敦煌藏文吐蕃史歴史文書訳注 ཏུན་ཧོང་བོད་ཀྱི་གནའ་བོའི་ལོ་རྒྱུས་ཡིག་ཆའི་བསྒྱུར་ཡིག་དང་མཆན་འགྲེལ། tun hong bod kyi gna' bo'i lo rgyus yig cha'i bsgyur yig dang mchan 'grel/』(敦煌少数民族歴史文献叢書). pls.+7+3+4+389pp. 甘粛教育出版社, 蘭州.
を使っているんですが、そちらでわからない時は、この王堯(修正@2016/04/03)先生の訳注を参照しています。
ええ、すでに1冊持ってるんですよ。でも結構ボロボロになってきているので、ここは100円本コーナーから救出しておいたわけです。
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・傅懋勣(2012.1)『納西族図画文字《白蝙蝠取経記》研究』. pls.+334pp. 商務印書館, 北京.
←初出:(1981-1983)(上冊・下冊). 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, 東京.
納西族、トンパ教の話もいくつかネタは持ってるんですが、なかなか書く機会がやってこない。この本でも眺めて、少しやる気出さねば。
久々に、筆ペンでトンパ文字を書いたりして楽しみましたよ。チベット文字を書く時とは、また別の喜びがありますね。
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いずれも100円か200円でした。昔だったら、この5倍の値段でも買っていたところだが、誰も買わないなんてもったいない。
もちろん買っただけで、まだ全然読んでないのですけどね。
宿題が溜まりまくっているので、少しやる気を出させるためにこんな駄文を書いてみました。
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(追記)@2016/04/03
上で書いた王堯先生は2015年末に亡くなられたそうです。
・チベット学の最新情報 > 2015/12/18 【訃報】王堯氏逝去
http://tibetanstudiesinformation.blogspot.jp/2015/12/blog-post_18.html
・捜狐新聞 > 国内要聞 > 時事 > 著名藏学家王堯去世 曾親歴毛沢東会見達頼、班禅 2015-12-17 23:20:40来源:澎湃
http://news.sohu.com/20151217/n431698641.shtml
このエントリーを書いた時にはすでに訃報が伝えられていたのですね。
上記 『敦煌本吐蕃歴史文書』をはじめ、『吐蕃金石録』などでお世話になりました。
『敦煌本吐蕃歴史文書』にdbang rgyalというチベット名があるので、チベット人なのかな?などとも思ってしまいましたが、これはチベット文字表記でチベット人風に洒落たものだったんですね。↓参照。
・百度百科 > 王堯 (中央民族大学教授) (最近更新:2016-03-19)
http://baike.baidu.com/subview/484626/9620067.htm
というわけで「ワンギャル→王堯」に修正。
最近仕事が忙しくて、当blog関係の調べものも低調。全然進まない。すいません。
本郷に行ったのも、目的地は東大なんですが、チベット方面とは全く関係ない用事。
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本郷に行ったのも久々だったので、中文書店にも行ってみました。昔はよく行ってたけど、5年ぶりくらいかなあ。
そしたら、チベット関係中文書が100円とか200円で転がってるではありませんか。ええ、買いましたよ。4冊600円(笑)。
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・漢藏対照詞典協作編纂組(1991.1)『漢藏対照詞典 རྒྱ་བོད་ཤན་སྦྱར་ཚིག་མཛོད། rgya bod shan sbyar tshig mdzod/』. 2+2+26+1448pp. 民族出版社, 北京.
Goldsteinの英蔵辞典、カワチェンの辞典でも時々物足りないことがあるので、これはきっと使うでしょう。年に数回?(笑)それにしても重かった。
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・洲塔(1996.1)『甘粛藏族部落的社会與歴史研究』. 564+17pp. 甘粛民族出版社, 蘭州.
アムドのこの手の本も、何冊かすでに持ってるんだけど、ほとんど使う機会がない。でも安いのがあると買っちゃう。病気ですな。
この本では、地名にチベット文字表記があるので助かる。チベット文字表記が全くない『中国藏族部落』を補完するのに使おう。
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・王堯 དབང་རྒྱལ་ dbang rgyal+陳践 བསོད་ནམས་སྐྱིད་ bsod nams skyid・訳注(1992.2)『敦煌本吐蕃歴史文書 ཏུནཧོང་ནས་ཐུན་པའི་བོད་ཀྱིལོ་རྒྱུས་ཡིག་ཆ། tun hong nas thun pa'i bod kyi lo rgyus yig cha/ (増訂本)』. 212pp.+pls. 民族出版社, 北京.
これは、敦煌文献の主要部の藏文・中国式Wylie転写・中文訳が載っているものです。藏文印影もあり非常に使いでがあります。1990年代の中国印刷物ですから写真はすこぶる不鮮明ですが、あるだけでも素晴らしい。
普段、敦煌文献で調べものをする時は主に
・黄布凡+馬徳・編著(2000.6)『敦煌藏文吐蕃史歴史文書訳注 ཏུན་ཧོང་བོད་ཀྱི་གནའ་བོའི་ལོ་རྒྱུས་ཡིག་ཆའི་བསྒྱུར་ཡིག་དང་མཆན་འགྲེལ། tun hong bod kyi gna' bo'i lo rgyus yig cha'i bsgyur yig dang mchan 'grel/』(敦煌少数民族歴史文献叢書). pls.+7+3+4+389pp. 甘粛教育出版社, 蘭州.
を使っているんですが、そちらでわからない時は、この王堯(修正@2016/04/03)先生の訳注を参照しています。
ええ、すでに1冊持ってるんですよ。でも結構ボロボロになってきているので、ここは100円本コーナーから救出しておいたわけです。
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・傅懋勣(2012.1)『納西族図画文字《白蝙蝠取経記》研究』. pls.+334pp. 商務印書館, 北京.
←初出:(1981-1983)(上冊・下冊). 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, 東京.
納西族、トンパ教の話もいくつかネタは持ってるんですが、なかなか書く機会がやってこない。この本でも眺めて、少しやる気出さねば。
久々に、筆ペンでトンパ文字を書いたりして楽しみましたよ。チベット文字を書く時とは、また別の喜びがありますね。
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いずれも100円か200円でした。昔だったら、この5倍の値段でも買っていたところだが、誰も買わないなんてもったいない。
もちろん買っただけで、まだ全然読んでないのですけどね。
宿題が溜まりまくっているので、少しやる気を出させるためにこんな駄文を書いてみました。
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(追記)@2016/04/03
上で書いた王堯先生は2015年末に亡くなられたそうです。
・チベット学の最新情報 > 2015/12/18 【訃報】王堯氏逝去
http://tibetanstudiesinformation.blogspot.jp/2015/12/blog-post_18.html
・捜狐新聞 > 国内要聞 > 時事 > 著名藏学家王堯去世 曾親歴毛沢東会見達頼、班禅 2015-12-17 23:20:40来源:澎湃
http://news.sohu.com/20151217/n431698641.shtml
このエントリーを書いた時にはすでに訃報が伝えられていたのですね。
上記 『敦煌本吐蕃歴史文書』をはじめ、『吐蕃金石録』などでお世話になりました。
『敦煌本吐蕃歴史文書』にdbang rgyalというチベット名があるので、チベット人なのかな?などとも思ってしまいましたが、これはチベット文字表記でチベット人風に洒落たものだったんですね。↓参照。
・百度百科 > 王堯 (中央民族大学教授) (最近更新:2016-03-19)
http://baike.baidu.com/subview/484626/9620067.htm
というわけで「ワンギャル→王堯」に修正。
2015年12月5日土曜日
2015年11月29日(日)大学共同利用機関シンポジウム2015
というのに行ってきました。これです↓
・大学共同利用機関シンポジウム2015「研究者に会いに行こう!」
https://www2.kek.jp/intersympo/2015/
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国立の諸研究機関の研究者トークがほぼずっと続くイベントです。
それがおもしろくておもしろくて、結局昼から晩までずっとトークを聞いてしまいました。おかげで各研究機関のブースを回る時間がほとんどなかった。
スーパーコンピュータのノードをランダムに接続すると処理速度が上がる、だの、シアノバクテリアの体内時計タンパク質、だの、Dual fMRI、だの、ペンギンの背中にミニミニレコーダをくっつけてペンギン目線でエサ捕りの場面を見る、だの・・・。
最先端の研究を学ぶのは本当に楽しい。
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大半が理系研究者で、文系トークは3分の1だったんですが、このイベントに行った目的は、民博の吉岡乾先生のトークを聞くため。
吉岡先生は日本で唯一のBurushaski語の研究者。このblogでも、
2009年6月17日 「ブルシャスキーって何語?」の巻(1) ブルシャスキー語
で、その著作の一部を使わせていただいております。
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周りはほとんどが理系の研究者や、理系に興味を持っている客ばかりだったようで、冒頭に置かれた文系研究者はいずれも苦戦していましたね。司会が「時間があるようですので、何か質問は?」と切り出しても、シーンと静まり返る会場。
そんな中でも吉岡先生のトークは質問が4つくらい出て、結構盛り上がっていました。
理系のトークでも、質問はいつも二人くらいの同じ人(おそらく科学雑誌とか新聞科学欄とかその辺の人?)がしていましたから、いろんな人から質問が出た吉岡先生のトークは、全体を見渡してもかなり反応がよかったトークだったんじゃないでしょうか。
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「Burushaski語」と言っても、知っている人は会場には全然いませんから、世界中の系統不明言語の分布とか語族の分布とか、一般にも伝わる内容を多く入れたのが勝因かも。
私としてはBurushaski語の話とか、Karakorum地域の言語分布とかの話題をもっと聞きたかったのですが、まあそれはブースでたくさん訊いたから十分です。
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Domaki(語)調査中の映像もおもしろかった。あんまり乗り気でないインフォーマントをなだめすかしながら語彙を訊き出す現場は、私にも少し身に覚えがあるだけに興味深い映像でした。
私が一番苦労したのはインドHimachal Pradesh州Malanaで、Kanashi語会話帳を作るため聞き取りをした時。あそこはほとんどcharas目当ての客しか相手にしませんから、charas抜きでKanashi語について訊いてばかりいる外国人など胡散臭いヤツなのです。
訊いているうちにだんだん空気が悪くなってくるし。あー思い出す。まあ、私の話はいいや。
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ブースでも吉岡先生には、Hunza-Nagarより北にもBurushaski語話者がいる、とか、Domakiの「ki」はBurushaskiの「(s)ki」と同じ、とか、Shin人がGilgitに移って来た時期はやっぱりよくわからない、とか、インド亜大陸からその周辺の能格言語の分布とか、面白いお話をたくさん教えていただき、目からウロコが落ちる思いでした。
そんな話を聞いていると、やっぱりチベット/ヒマラヤ周辺へ行きたくなってしまうわけですが、金も暇もない、という状況が変わるはずもなく、しばらくはここで書いたりしてウサを晴らすしかなさそうです。
まあでも、こないだの外語大イベントもおもしろかったし、今後はもう少しこういうイベントにも顔を出してみようかと思いましたね。
・大学共同利用機関シンポジウム2015「研究者に会いに行こう!」
https://www2.kek.jp/intersympo/2015/
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国立の諸研究機関の研究者トークがほぼずっと続くイベントです。
それがおもしろくておもしろくて、結局昼から晩までずっとトークを聞いてしまいました。おかげで各研究機関のブースを回る時間がほとんどなかった。
スーパーコンピュータのノードをランダムに接続すると処理速度が上がる、だの、シアノバクテリアの体内時計タンパク質、だの、Dual fMRI、だの、ペンギンの背中にミニミニレコーダをくっつけてペンギン目線でエサ捕りの場面を見る、だの・・・。
最先端の研究を学ぶのは本当に楽しい。
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大半が理系研究者で、文系トークは3分の1だったんですが、このイベントに行った目的は、民博の吉岡乾先生のトークを聞くため。
吉岡先生は日本で唯一のBurushaski語の研究者。このblogでも、
2009年6月17日 「ブルシャスキーって何語?」の巻(1) ブルシャスキー語
で、その著作の一部を使わせていただいております。
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周りはほとんどが理系の研究者や、理系に興味を持っている客ばかりだったようで、冒頭に置かれた文系研究者はいずれも苦戦していましたね。司会が「時間があるようですので、何か質問は?」と切り出しても、シーンと静まり返る会場。
そんな中でも吉岡先生のトークは質問が4つくらい出て、結構盛り上がっていました。
理系のトークでも、質問はいつも二人くらいの同じ人(おそらく科学雑誌とか新聞科学欄とかその辺の人?)がしていましたから、いろんな人から質問が出た吉岡先生のトークは、全体を見渡してもかなり反応がよかったトークだったんじゃないでしょうか。
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「Burushaski語」と言っても、知っている人は会場には全然いませんから、世界中の系統不明言語の分布とか語族の分布とか、一般にも伝わる内容を多く入れたのが勝因かも。
私としてはBurushaski語の話とか、Karakorum地域の言語分布とかの話題をもっと聞きたかったのですが、まあそれはブースでたくさん訊いたから十分です。
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Domaki(語)調査中の映像もおもしろかった。あんまり乗り気でないインフォーマントをなだめすかしながら語彙を訊き出す現場は、私にも少し身に覚えがあるだけに興味深い映像でした。
私が一番苦労したのはインドHimachal Pradesh州Malanaで、Kanashi語会話帳を作るため聞き取りをした時。あそこはほとんどcharas目当ての客しか相手にしませんから、charas抜きでKanashi語について訊いてばかりいる外国人など胡散臭いヤツなのです。
訊いているうちにだんだん空気が悪くなってくるし。あー思い出す。まあ、私の話はいいや。
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ブースでも吉岡先生には、Hunza-Nagarより北にもBurushaski語話者がいる、とか、Domakiの「ki」はBurushaskiの「(s)ki」と同じ、とか、Shin人がGilgitに移って来た時期はやっぱりよくわからない、とか、インド亜大陸からその周辺の能格言語の分布とか、面白いお話をたくさん教えていただき、目からウロコが落ちる思いでした。
そんな話を聞いていると、やっぱりチベット/ヒマラヤ周辺へ行きたくなってしまうわけですが、金も暇もない、という状況が変わるはずもなく、しばらくはここで書いたりしてウサを晴らすしかなさそうです。
まあでも、こないだの外語大イベントもおもしろかったし、今後はもう少しこういうイベントにも顔を出してみようかと思いましたね。
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