前回の追記として書いたものですが、長くなったので独立させました。それに、ちゃんとタイトルつけた方が、検索でひっかかりやすいし。
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(追記)@2014/05/17
པདྨ་ padma(蓮)の綴りは、見慣れないと「何これ?」と思うかもしれません。
これはインド語のチベット文字転写なので、チベット語では見かけない縦積み(重層字 མཐུག་པོ་ mthug po/築字 བརྩེགས་ brtsegs と言います)が出てくるわけです。
以前ご紹介したགནྡྷོ་ལ་ gandho laはもっとすごいですが(笑)。これもインド語です。
padmaはインド語では「パドマ」と発音されますが、すっかりチベット語として馴染んでいて、チベット語では「ペマ」と発音されています。その流れでཔད་མ་ pad maと綴られることもあります。どちらかが誤り、ということはありません。
「パドマ/ペマ」はもともとチベット語だ、と思っていた方も多いかもしれませんね。
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チベット語を覚えて最初に書いてみたくなるのが、観世音菩薩の六字真言「オムマニペメフーム」でしょう。ところが、これがものすごく難しい。入門時に習うチベット文字にはない特殊記号、逆字、重層字だらけなのですから。
それもそのはずで、実は意外なことに「オムマニペメフーム」にはチベット起源の単語はひとつも含まれていません。全部インド語です。チベット文字での表記は、インド語の音を苦労して忠実に転写したものです。インド語転写用の文字、特殊記号を駆使しないと書けないのです。
手書きならば見よう見まねでなんとかなりますが、コンピュータでのチベット文字入力となると、初心者はお手上げです。
以前使っていたフォントu-chanでは、「オムマニペメフーム」は打てませんでした。現在使っているフォントTibetan Machine UniはTiseという入力ソフトを使って打つのですが、これなら対応しています。
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「パドマ/ペマ」と「オムマニペメフーム」のTiseでのキーストロークを記しておきましょう。
པདྨ་ pad+ma
ཨོཾམཎིཔདྨེཧཱུྃ oMmaNipad+me↵hUq
(↵はEnterキー。一旦ここで切らないと、文字がダブってしまいますから注意。)
なお、「オムマニペメフーム」はインド語ですから、終わるまで「་ (ཚེག tsheg)」は入りません(チベット語化している、ととらえれば、ツェグを入れても間違いではない)。
Rewalsarのマニ石
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(追記)@2014/05/18
上のマニ石では、「オム」が「ཨཱོཾ(オーム)」になっています。どちらでもよいのです。この場合は「o」を大文字「O」にして下さい。
ཨཱོཾམཎིཔདྨེཧཱུྃ OMmaNipad+me↵hUq
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(追記)@2014/05/20
「オムマニペメフーム」のことばかり考えていたせいで、「オムニバス」という文字を見ると、うっかり「おっ!」と思ってしまう日々。
他にも、「インドアテニス」の看板で「インド!」と思ったり、「ノートパソコン」が「蒙古パソコン」に聞こえたりと、病人状態の時がままあります。
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