2014年5月18日日曜日

「パドマ/ペマ」「オムマニペメフーム」のチベット文字表記

前回の追記として書いたものですが、長くなったので独立させました。それに、ちゃんとタイトルつけた方が、検索でひっかかりやすいし。

===========================================

(追記)@2014/05/17

པདྨ་ padma(蓮)の綴りは、見慣れないと「何これ?」と思うかもしれません。

これはインド語のチベット文字転写なので、チベット語では見かけない縦積み(重層字 མཐུག་པོ་ mthug po/築字 བརྩེགས་ brtsegs と言います)が出てくるわけです。

以前ご紹介したགནྡྷོ་ལ་ gandho laはもっとすごいですが(笑)。これもインド語です。

padmaはインド語では「パドマ」と発音されますが、すっかりチベット語として馴染んでいて、チベット語では「ペマ」と発音されています。その流れでཔད་མ་ pad maと綴られることもあります。どちらかが誤り、ということはありません。

「パドマ/ペマ」はもともとチベット語だ、と思っていた方も多いかもしれませんね。

------------------------------------------

チベット語を覚えて最初に書いてみたくなるのが、観世音菩薩の六字真言「オムマニペメフーム」でしょう。ところが、これがものすごく難しい。入門時に習うチベット文字にはない特殊記号、逆字、重層字だらけなのですから。

それもそのはずで、実は意外なことに「オムマニペメフーム」にはチベット起源の単語はひとつも含まれていません。全部インド語です。チベット文字での表記は、インド語の音を苦労して忠実に転写したものです。インド語転写用の文字、特殊記号を駆使しないと書けないのです。

手書きならば見よう見まねでなんとかなりますが、コンピュータでのチベット文字入力となると、初心者はお手上げです。

以前使っていたフォントu-chanでは、「オムマニペメフーム」は打てませんでした。現在使っているフォントTibetan Machine UniはTiseという入力ソフトを使って打つのですが、これなら対応しています。

------------------------------------------

「パドマ/ペマ」と「オムマニペメフーム」のTiseでのキーストロークを記しておきましょう。

པདྨ་ pad+ma

ཨོཾམཎིཔདྨེཧཱུྃ oMmaNipad+me↵hUq
(↵はEnterキー。一旦ここで切らないと、文字がダブってしまいますから注意。)

なお、「オムマニペメフーム」はインド語ですから、終わるまで「་ (ཚེག tsheg)」は入りません(チベット語化している、ととらえれば、ツェグを入れても間違いではない)。


Rewalsarのマニ石

===========================================

(追記)@2014/05/18

上のマニ石では、「オム」が「ཨཱོཾ(オーム)」になっています。どちらでもよいのです。この場合は「o」を大文字「O」にして下さい。

ཨཱོཾམཎིཔདྨེཧཱུྃ OMmaNipad+me↵hUq

===========================================

(追記)@2014/05/20

「オムマニペメフーム」のことばかり考えていたせいで、「オムニバス」という文字を見ると、うっかり「おっ!」と思ってしまう日々。

他にも、「インドアテニス」の看板で「インド!」と思ったり、「ノートパソコン」が「蒙古パソコン」に聞こえたりと、病人状態の時がままあります。

0 件のコメント:

コメントを投稿