2014年5月15日木曜日

チベット・ヒマラヤTV考古学(10) 1960年代、日本へのチベット人留学生

前回、在スイス・チベット人の番組を紹介しましたが、今度は日本です。

日本が受け入れているチベット人は約60人(2003年時点)とえらく少ないのは、前回も書いたとおり。今はもう少し増えて・・・いないだろうか。

日本が初めてチベット難民を受け入れたのは、1965年のことでした。国の方針ではなく、民間による受け入れです。人数はわずか5人。それも少年を留学させるという形でした。民間での取り組みですから、システム的にも人数的にもこれが精一杯だったのだと思います。

その5人の少年たちを取り上げた番組がこれです。

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あすは君たちのもの チベットから来た少年  
1966秋(30分) NHK総合
ゲスト:茅誠司ほか。
十代の活躍を紹介する少年少女向けシリーズの一編。
木村肥佐生・亜細亜大学教授(第二次世界大戦中にチベットに滞在していた)の発案で、丸木清美・埼玉医科大学長の資金援助を得て、インドのチベット難民少年を日本に留学させるプロジェクトが発足。
1965年12月に5人が来日、1966年4月埼玉県毛呂山町立毛呂山中学に入学した。5人の中でも特にダムデン君に焦点を合わせ、級友たちとの友情や町民たちとの心温まる交流を紹介する。またスタジオにチベット人少年5人を招き、励ましの言葉が贈られた。
なおこのダムデン君は、日本に帰化し「西大寺ダムデン」の名で現在埼玉県内で医師として活躍中。もうひとり「西蔵ツ(ェ)ワン」さんも埼玉県内で医師。そして5人の中で最大の有名人がペマ・ギャルポさん。
参考:
・毎日新聞
・ペマ・ギャルポ・談、相馬勝・聞き手 (2007) モンゴルの大地を駆ける(1)~(5). 産経新聞2007-05-06~11.

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来日して半年余りですからまだ言葉も不自由な頃だろうに、その上TVの取材ですから、少年たちはかなり戸惑っただろうと思います。

しかし、その体験は充分刺激的だったことでしょう。これによって、少年たちの日本に対する認識は深まったに違いありません。いろんな意味で。

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ペマ・ギャルポさん(注1)はよくマスメディアに登場されていますから、改めて動向を紹介するまでもないでしょう。ペマさんが所長を務める

・チベット文化研究会
http://www16.ocn.ne.jp/~tcc/

を紹介するだけにしておきます。

西大寺ダムデンさん(注2)は医師の傍ら、参議院議員選挙(比例代表)に出馬したこともあります。

西蔵ツワンさん(注3)も医師の傍ら、最近は自分の体験を発表される機会が増えています。

・iza イザ! > ニュース > ボイス > 専門家・記者ブログ > 古森義久/ステージ風発 > 旧ブログ > 「私は10歳でチベットを脱出し、35歳で日本人になった」――ある医師が語るチベット民族の悲劇 (2008/05/16)
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/575936/
・西蔵ツワン (2008) 私は見た 中国の「洗脳・密告・公開処刑」--チベット亡命医師の手記. 文藝春秋, vol.86, no.7(2008/07), pp.164-173.
・フリー・チベット・ムービー『風の馬』公式サイト > コラム > 西蔵ツワン (2009/02)
http://www.uplink.co.jp/windhorse/column_01.php

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これは在日チベット人の会です。政治活動も含め様々な活動を行っています。

・在日チベット人コミュニティー(TCJ)
http://www.tibetancommunity.jp/

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(注1)
པདྨ་རྒྱལ་པོ་ padma rgyal po。

(注2)
おそらくདམ་ལྡན་ dam ldan。

(注3)
おそらくཚེ་དབང་ tshe dbang。

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(追記)@2014/05/17 + (追記)@2014/05/18 は独立させて、

2014年5月18日日曜日
「パドマ/ペマ」「オムマニペメフーム」のチベット文字表記

としました。

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(追記)@2017/01/07

西蔵ツワンさんの記事がありました。

・ニューズウィーク日本版 > 最新記事 > ワールド > 高口康太/埼玉の小さな町にダライ・ラマがやってきた理由(2016年12月28日(水)11時24分)

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/12/post-6636.php

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