2014年4月5日土曜日

チベット・ヒマラヤTV考古学(6) 雪男関連TV番組一覧-その1

雪男の存在を否定してばかり、というのも申し訳ないので、雪男研究に少しは役に立とうか、と思います。

というわけで、雪男関連TV番組の一覧です(一部、ラジオや映画もあり)。1990年代以降はまだ充分調べていないので、遺漏は多いかと思います。

創作ものも混じっていますが、「雪男」という文化が一般にどの程度浸透していたか、を示す指標にはなるでしょう。

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【ラジオ】 劇 ヒマラヤ・オリンピック(全11回)  
1954春(30分×11) ラジオ東京
作:並河亮、出演:高橋和枝、石黒達也ほか。
エヴェレストへの挑戦を中心とするヒマラヤ登山史をラジオドラマ化。雪男や山の怪談も。1953年のエヴェレスト初登頂に刺激され日本でもヒマラヤ登山熱が高まっていた時期。
参考:
・毎日新聞

【映画】 『獣人雪男』 
1955夏公開 (95分) 東宝
監督:本多猪四郎、原作:香山滋、脚本:村田武雄、出演:宝田明、河内桃子ほか。
東宝お家芸の特撮映画第4弾。ヒマラヤの雪男ブームの影響で生まれた映画だが、この映画の舞台は日本アルプス。表現に問題があり、テレビ放映、商品化は一度もされていない幻の作品。
参考:
・allcinema ONLINE
http://www.allcinema.net/
・ウィキペディア 獣人雪男
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8D%A3%E4%BA%BA%E9%9B%AA%E7%94%B7

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【 1959/60雪男学術調査隊関連 】

ヒマラヤ登山隊の間で話題となっていた謎の生物・雪男の存在を研究すべく、1959年、小川鼎三(東京大学医学部教授)を中心として東京大学医学部解剖学教室内に日本雪男研究グループが結成された。そして同年末~翌年春にかけてさっそくネパール・クーンブ地方へ学術調査隊が派遣されることとなり、テレビにも雪男関連番組が現れるようになった。
参考:
・林寿郎 (1961) 『雪男 ヒマラヤ動物記』. 毎日新聞社.
・徳岡孝夫 (1964) 『ヒマラヤ 日本人の記録』. 毎日新聞社.

アジアの動物  
1959春(30分) NHK教育
出演:林寿郎(上野動物園)、埴原和郎(人類学者)ほか。
林氏が雪男の話題を取り上げるために企画した番組だが、雪男単独では際物すぎるため、様々な動物の中に雪男を紛れ込ませて紹介。日本雪男研究グループ結成のきっかけとなった。
参考:
・毎日新聞

私は知りたい 雪男は実在するか  
1959夏(30分) KRテレビ
出演:山崎英雄(マナスル登山隊隊長)、埴原和郎、林寿郎、深田久弥(ジュガール・ヒマール偵察隊)ほか。
謎の生物・雪男の存否・正体について、識者が語り合う。深田氏は同日この番組の後、ラジオ東京で「秘境ヒマラヤを語る」という番組にも出演。
参考:
・朝日新聞

そして、1959年11月~1960年2月、ネパール・クーンブ地方へ雪男学術調査隊が派遣された。
後援:毎日新聞社、文部省、日本山岳会。隊長:小川鼎三(東京大医学部教授)、隊員:林寿郎(上野動物園)、山崎英雄(動物学者)、大塚博美(登山家/日本教育テレビ)、依田孝喜(毎日新聞社写真部)、尾崎陽一郎(毎日放送)。
現地で雪男(といわれる)の頭皮・骨などを調査、足跡らしきものなどを発見したが、存在の確証は得られなかった。
参考:
・林寿郎 (1961) 『雪男 ヒマラヤ動物記』. 毎日新聞社.
・徳岡孝夫 (1964) 『ヒマラヤ 日本人の記録』. 毎日新聞社.

ヒマラヤの雪男とは?  
1959末(20分) 日本テレビ
詳細不明。
参考:
・朝日新聞

雪のヒマラヤから帰って  
1959末(30分) 日本教育テレビ
雪男学術調査隊によるネパール・クーンブ地方調査に同行したカメラマンによる速報と推測される。翌年1~3月に毎週帯番組として詳報を放映。
参考:
・朝日新聞

雪男特報  
1960初(60分) 日本教育テレビ
語り手:大平透、ゲスト:竹節作太、加藤喜一郎。
カトマンドゥ~ナムチェ・バザールにベースキャンプ設営まで。
参考:
・毎日新聞

雪男の謎 (全10回) 
1960初~春(30分×10) 日本教育テレビ
語り:大平透、出演:竹節作太、加藤喜一郎ほか。
(1)イエティの国ネパール
カトマンドゥでの準備~ビラトナガールへ飛ぶ。
(2)キャラバンは進む
(3)捜査基地ナムチェ近し
(4)ベースキャンプ建設
(5)イエティのすみかエベレスト
(6)足跡発見
(7)情報と資料
(8)雪男の頭皮
(9)座談会 雪男探検から帰って
帰国した隊員6名全員による座談会。探検の成果・経過などを報告。
(10)謎は謎のまま
参考:
・毎日新聞

【ラジオ】お便りありがとう 林寿郎  
1960春(10分) 文化放送
出演:林寿郎。
雪男調査隊の話をする。
参考:
・毎日新聞

ネパールを訪ねて(全2回) 
1960春(15分×2) KRテレビ
出演:林寿郎(多摩動物園長に栄転)。
参考:
・毎日新聞

木曜ワイド・アワー エベレストをめぐって 雪男学術調査隊記録  
1960夏(60分) 日本教育テレビ
総集編的な内容のようだ。
参考:
・毎日新聞

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世界みたまま ヒマラヤのふもと  
1960春(25分) NHK総合
出演:阿部盛明。
1959年秋、ネパールのロルワーリン山群ガウリ・シャンカール(7145m)初登頂をめざした福岡大学山岳会隊(日本人は3名のみという小規模隊での挑戦であったが登頂断念)の阿部隊員に登山の様子やヒマラヤについて聞いたものとみられる。
同登山隊は、チベット側に越境し中共軍に拘束されたり、遭難騒ぎになったり、となにかと問題の多い隊であった。また番組では「雪男の毛」と称するものも放映。これは保管されていた僧院から無断で持ち出したものであったため、さらに物議を醸した。
参考:
・毎日新聞
・週刊新潮編集部 (1960) 雪男の毛、失敬事件 暴露された日本登山隊の行状. 週刊新潮1960-04-18.
・深田久弥ほか (1983) 『ヒマラヤの高峰1』. 白水社.

びっくりスコープ 世界の屋根ヒマラヤ  
1960夏(25分) NHK総合
出演:槇有恒(第三次マナスル登山隊長)、林寿郎(雪男学術調査隊)、高島春雄、中沢公正。
参考:
・毎日新聞

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(追記)@2014/04/06

映画『獣人雪男』は、最近ポツポツと上映会が開かれているようですね。久々に調べたらわかりました。でも商品化は期待できないでしょうね。次回述べますが、雪男映画のオチってそんなのばっかなんですよ、なんでか。

それから、雪男学術調査隊には文部省から資金が出ています。雪男研究に国が金を出していたんですから、当時は雪男はまだ際物扱いではなかったんですね。

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