1960年代になると雪男探索は一段落(というより成果なし)。それに反して、創作ものでは雪男は大人気。雪男情報の普及は、おそらく出版物(少年マンガ誌や通俗週刊誌など)が担っていたと思われる。進展はないので50年代情報の焼き直しばかりだっただろうが。このあたりの経緯は、研究するとおもしろいものになるだろう。
【映画】 『ヒマラヤ無宿 心臓破りの野郎ども』
1961夏(87分) ニュー東映
監督:小沢茂弘、原作・脚本:松浦健郎、出演:片岡千恵蔵、進藤英太郎、水谷良重、佐久間良子ほか。
『アマゾン無宿』(1961)に続く「片岡千恵蔵・無宿シリーズ」第2弾だが、設定・ストーリーに関連はない。
人類学者・土門(片岡)がヒマラヤから雪男を捕獲して帰国。この雪男をめぐり新聞記者や悪党たちと騒動があって、最終的にはヒマラヤの資源をめぐる悪事を暴く、というストーリー。オチは「雪男の正体は××だった(あえて伏せる)」というトホホなもの。
雪男ブームの影響が映画にも現れた。ヒマラヤ登山記録映画の人気も下火となり、ヒマラヤものはフィクションに取り入れられるようになる。しかしヒマラヤ現地ロケはまだまだ先のこと。
参考:
・日本映画データベース
http://www.jmdb.ne.jp/
・B級映画館
http://www.geocities.jp/bqaga/index.html
映画 ヒマラヤの雪男
1962初 TBSテレビ
原題:Man Beast (1956, USA)
監督:Jerry Warren、脚本:B.Arthur Cassidy、撮影:Victor Fisher、出演:Rock Madison、Asa Maynor、George Skaffほか。
オリジナルは67分。DVD化されている。
ヒマラヤへ雪男探検に向かったまま音信不通となった兄ジムの捜索に出たコニー。登山家キャメロンの協力を得てエリクソン博士の探検隊に合流。怪しげなシェルパ・ヴァルガも加わり捜索を開始する。そこで雪男に遭遇し・・・。
典型的なB級冒険映画。雪男映画のオチはどうしていつもこうトホホな出来なのだろうか?雪山のシーンは他フィルムの流用、ヒマラヤ現地ロケなどは行っていない。
参考:
・毎日新聞
・allcinema ONLINE
http://www.allcinema.net/
・The Internet Movie Database
http://www.imdb.com/
・素敵なあなた SFシネ・クラシックス
http://homepage3.nifty.com/housei/SFcineclassics.htm
マンガ 早射ちマック ヒマラヤの雪男
1964夏(30分) NETテレビ
原題:Quick Draw McGraw (1959~, USA)
制作:CBS-TV, USA
声:滝口順平ほか。
10分×3話のうちの1話。アメリカ製長寿西部劇アニメ。主人公マックは馬のガンマン。西部劇なのになぜ「ヒマラヤの雪男」が現れるのかは謎。
参考:
・毎日新聞
映画 0011ナポレオン・ソロ (62) ヒマラヤの雪男
1967初(60分) 日本テレビ
原題:The Man from U.N.C.L.E. (1964~68, USA)
(72) The Abominable Snowman Affair (1966/12/09)
制作:NBC-TV, USA
出演:ロバート・ヴォーン、デヴィッド・マッカラムほか。
国際警察機構U.N.C.L.E.の捜査官ナポレオン・ソロとイリヤ・クリヤキンの活躍を描くスパイ・ドラマ・シリーズ。
このエピソードでは、ソロとイリヤはヒマラヤの国チュパト(モデルはチベット)で高位ラマの後継者争いに巻き込まれる。なお、雪男がどう関与するのかは不明。
参考:
・毎日新聞
・ウィキペディア 0011ナポレオン・ソロ
http://ja.wikipedia.org/wiki/0011%E3%83%8A%E3%83%9D%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%AD
・スパイドラマ倶楽部・本館 0011ナポレオン・ソロ
http://spydrama.hp.infoseek.co.jp/page068.html
・TV.com
http://www.tv.com/
まんが タイガーマスク (37) 獣人ヒマラヤの雪男
1970夏(30分) よみうりテレビ(日本テレビ系)
おなじみのプロレスアニメ。
全アジア王座決定戦に出場したタイガーマスクは、インド代表スノー・シンと対戦。試合の最中にスノー・シンの体じゅうに白い毛が伸び始め、まさに雪男の姿に変貌。彼はヒマラヤの雪山でミスター・クエスチョンに拾われ育てられたのだが、正体は明らかではない。最後はタイガーマスクに敗れる。
参考:
・毎日新聞
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それにしても、1960年代は創作ものばかりですなあ。
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