街道沿い、スターフォレスト利賀(旧・小学校)の広場(元・校庭)を挟んで、小川の土手にNepal風の三重塔が立っている。
これももちろん利賀村-Tukuche村友好と関係ある建物だろう。2004年完成の建物らしい。
しかし、山奥の街道沿いで、いきなりこんなNepal建築に出くわすと、意外すぎてめまいがしてくる。
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特に何かがあるというわけではなく、いわば豪華な四阿(あずまや)である。しかし八方の柱には女神立像の木彫が置かれ、Nepalらしい佇まい。
ちゃんと調べたわけではないが、これらはNepalで崇拝されている「八母神 अष्ट मातृका Ashta Matrka」であろう。ヒンドゥ教の神々である。
八母神について詳しくは、
・立川武蔵 (1990.6) 『女神たちのインド』. 321pp. ありな書房, 東京.
を見てほしい。
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三重塔は吹き抜けになっていて、天井には曼荼羅が。蜘蛛の巣だらけなのがちょっと残念。まあこれだけ高いところにあると、掃除も大変なんだろうけど・・・。
これは瞑想の郷にもある、金剛界曼荼羅である。ただし、天井に描かれる際には、実際の方位に合わせて、東西が逆になっているので注意。
Himachalでもよく見かける、Kankani རྐང་གཉིས་ rkang gnyis ゲート・チョルテンの天井に曼荼羅が描かれているのと同じ。Kathmandu盆地のNewar建築とKali Gandakiのチベット文化の折衷様式といえる。
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三重塔の隣りにはもうひとつ建物があり、ささやかながらマニ車が3つと孔雀窓。
マニ車は、10も20も盛大に並んでいて、歩きながらガラガラ回すのが楽しいのだが、こう数個並んでいるだけだと、かえって寂しい気持ちになる。
しかし、日本でマニ車が回せるだけでもありがたい。久々にマニ車を回せて、少し気持ちが落ち着きました(日頃もう、マニ車を回したくて回したくて)。
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とまあ、数日の旅行をまとめるのに1ヶ月かかってしまったわけですが、それだけ濃い内容の旅行でした。
福光美術館「デルゲ印経院チベット木版仏画展」は8月20日まで開催されていますので、みなさんもぜひ行ってみてください。瞑想の郷も、冬は閉鎖なので行くなら今が一番いい。
あとこれも近くなので、誰か立山博物館にも行って、胎蔵曼荼羅の存在について、調べてきてほしいものだ。
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