2009年2月1日日曜日

ボン教生かじり(試運転2)

以下の投稿は試運転用のものです。内容は某地域のガイドブック用に作成したものですが、企画自体がボツになりましたので、今後そこからネタが出てくることも多いかもしれません。内容も今後改訂する可能性大です。ですからこれを参考にしたり引用するのは、やめた方が無難です。

↓以下、試運転用投稿・・・

ボン教 Bon(Bon-cho)

ボン教とは、仏教伝来前から存在したチベット古来の宗教。発祥の地はシャンシュン王国(古代西チベット)。アニミズム的な民間信仰・呪術を基礎とし、5世紀以降ヒンドゥー教などの影響を受け教義が整備され吐蕃王国の国教として栄えた。しかし8世紀の仏教伝来を機として衰え始める。9世紀以降仏教古密教の教義と修行体系を取り入れ、15世紀までには仏教と似た教団を形成する。中央チベットのメンリ寺、ユンドゥンリン寺が総本山であったが、ボン教徒はアムド~カムに多かった。

現在のボン教は、僧院で出家僧が修行をし、仏像と似た神像を持つなど、一見仏教と区別がつかない。しかし青い僧衣、仏教の「卍(方向はこの逆/時計回り)」「右遶(時計回り)」「オムマニペメフム」に対し、ボン教では「卍(方向はこの通り/反時計回り)」「左遶(反時計回り)」「オムマティムエサレドゥ」など、微妙な違いがある。

開祖として崇められるのはトンパ・シェンラブ・ミウォ。その伝記にはケサル王伝説や釈迦仏伝の影響が色濃くみられる。

現在のボン教は顕教・密教を備え持ち、儀式、呪術、哲学、論理学、暦学、医学が体系化された総合宗教。ニンマパと共通したゾクチェンという修道法を持ち、埋蔵経典(テルマ)の存在も特異。

現代チベットでは中国政府によりボン教は仏教と共に激しい迫害を受け、1950~60年代にはほとんどの僧院が破壊された。ボン教の高僧たちはインドへ亡命。1969年にドランジにメンリ寺が再建され、ようやくボン教教団の復興が始まった。現在はメンリ寺を中心とし、カトマンドゥのトゥリテン寺などで活発に研究・僧育成が行われている。



















写真はドランジ・メンリ寺に祠られているトンパ・シェンラブ像。

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