・Sabin Bhuju / NewaWiki Dhuku : English - Nepal Bhasa Dictionary ver 1.0.01 (release date 2010-11-05) 332+pp.
http://np.com.np/nbd
を使って、Bisket Jatraの柱yosin、lyesing dha:の意味を調べてみましょう。
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まずはyosinから。
sinは簡単です。
tree N सिमा simā
に間違いありません。
これはチベット語「ཤིང་ shing木」と同源の単語ですね。さすがチベット・ビルマ語系の親戚同士。
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次にyoですが、
interest N यो yo
という単語が見つかります。「yosin」で「興味の木」。でも、これではなんだかわかりませんね。
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関連していそうな単語を他にも探しましょう。
Newar語では、単語の語末子音が消滅し長母音化する傾向にあります。例えば、
नेपाल भाषा Nepal Bhasa → नेवाः भाय् Newa: Bhay
といった具合です。
yoも語尾子音が消滅、あるいは省略されたものと考えてみましょう。
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ability N याये yaye
ability N योग्यता yogyata
able A योग्य yogya
adapt VT योग्ययाये yogya yaye
adequate A योग्य yogya
advisable A योग्य yogya
appropriate A योग्य yogya
apt A योग्य yogya
aptitude N योग्यता yogyata
attainment N योग्यता yogyata
becoming A योग्य yogya
behove VT योग्य जुये yogya juye
beneath Prep योग्य मजुगु yogya majugu
「できる」「適合させる」「適切な」「なる」「望ましい」「達成」「の下」といった意味が出てきます。
何やら姿が見えてきました。
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もう一つ
・寺西芳輝 (2004) 『話せるネワール語会話(ネパールの民族語)』. 157pp. 国際語学社, 東京.
も引いておきましょう。
「好き」とあります。
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もうわかりましたね。「yosin」は「願いを叶えてくれる樹」=「如意樹(कल्पवृक्ष Kalpavriksha)」なのです(注)。
スペルは योसिम あるいは योसिं になるでしょうかね。
次回はもう一つの方「lyesing dha:」を調べてみましょう。
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(注)
Kalpavrikshaは、Kalpataru(कल्पतरु)、Kalpadruma(कल्पद्रुम)、Kalpapadapa(कल्प पादप)とも呼ばれます。漢名は、音訳の「劫波樹」と意訳の「如意樹」。
乳海攪拌の際に大海に生じた香樹Parijata(पारिजात)を、Indraが天界の庭Nandanavana(नन्दनवन)に移しました。この樹を崇拝するものは、あらゆる願いが叶うとされます。願いの内容は財産、幸運といった現世利益。
また、Shivaの妻Parvati(पार्वती)が娘の誕生をKalpavrikshaに願い、娘Ashokasundari(अशोकसुंदरी)を得た、ともされます(『Padma Purana पद्म पुराण』)。
この如意樹は、具体的にはBanyan(वट Vata)樹をモデルにしているようです。
参考:
・斎藤昭俊 (1984) 第三 インドの樹木崇拝. 『インドの民俗宗教』所収. pp.57-84. 吉川弘文館, 東京.
・菅沼晃・編 (1985) 『インド神話伝説辞典』. pls.+23+454pp. 東京堂出版, 東京.
・宮治昭 (1999) 聖樹信仰と仏教美術. 『仏教美術のイコノロジー インドから日本まで』所収. pp.78-109. 吉川弘文館, 東京.
←原版:宮治昭 (1994) インドの聖樹信仰と仏教美術(I). 田島敏堂・編 『開発における文化(2)』(名古屋大学大学院国際開発研究科平成五年度共同研究報告書/開発叢書5)所収. 名古屋大学大学院国際開発研究科, 名古屋.
・Wikipedia (English) > Kalpavriksha (This page was last modified on 13 April 2015, at 05:40)
http://en.wikipedia.org/wiki/Kalpavriksha
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