2009年9月4日金曜日

ヒマーチャル・ニュース

まだ9月になったばかりだというのに、ヒマーチャル・プラデシュ州山岳部ではもう雪が降ってロータン・ラ(マナーリー~ラーホール間)は一時閉鎖されたようです。ずいぶん早いですね。

・My Himachal > Higher reaches of Himachal receive seasons first snow. Aug 31st, 2009
http://himachal.us/2009/08/31/higher-reaches-of-himachal-receive-seasons-first-snow/15382/news/ravinder

・My Himachal > Higher reaches of Himachal get more snow. Sep 3rd, 2009
http://himachal.us/2009/09/03/higher-reaches-of-himachal-get-more-snow/15460/news/ravinder

・SAMAYLIVE.com > Homepage » Regional > Manali-Leh highway reopened, 282 people rescued. Fri, 04 Sep 2009
http://www.samaylive.com/news/manalileh-highway-reopened-282-people-rescued/654352.html

もっともこれは、冬の雪ではなくて、夏のモンスーンの雨が上空の寒気で雪になってしまったもの。今年は向こうも寒いのですね(注-2009/09/05追記)。シムラーでさえ雪になったと言いますから、そうとう強い寒気です。

私は9月10月にあの辺をウロウロしていることが多かったので、これだけ降雪が早いと、9月頭にしてもうマナーリーから奥に入れなくなってしまうわけで、困りもの。

ラダックやスピティに入っている旅行者で、陸路でインド平野部に抜けようと考えている人は少し予定を早めにした方がいいかもしれませんね。

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おまけで、↓これはスピティの一妻多夫制のリポート。

・globalpost.com > Home > Asia > India > When two husbands are better than one. Polyandry in the Himalayas is a complex affair. Not surprisingly. By Joel Elliott — Special to GlobalPost. Published: September 2, 2009 07:02 ET. Updated: September 3, 2009 08:23 ET
http://www.globalpost.com/dispatch/india/090826/when-two-husbands-are-better-one

一般にはインド独立後禁止された、と伝えられている一妻多夫制ですが、ラーホール・スピティ県全体でまだ500家族ほどいるようです。

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(注)-2009/09/05追記

インド洋のモンスーンと日本の夏の気候との関係について、少し補足しておく。

南半球低緯度高空を東から西に吹いている貿易風は、インド洋の西でアフリカ大陸東部の高原地帯にぶつかる。そして時計回りにクリンと回って、インド洋西部からインド亜大陸に吹きつける。

この風は、夏場はインド洋から吸い上げたものすごい湿気を伴って吹きつけるため、モンスーンと呼ばれる雨期をインド亜大陸にもたらす。

さて、この風はさらに北東へ流れ日本にまで到達している。だからインド/ヒマラヤの気候と日本の気候は無関係ではない。あまり系統だてて調べたわけじゃないけれど、春~初夏にインドで死者が多数出るような熱波のニュースがあった年は、日本も猛暑だったような気がする。

最近注目されているのが、インド洋のエルニーニョ現象とも言える「ダイポール現象」。これは、理由はわからないがインド洋の東に冷水塊が現れ、その影響で反対側の西には暖水塊が現れる。そこでは蒸発量も当然多くなる。ここがちょうど風の通り道になっているから、例年より多い湿気がもたらされてインド亜大陸は大雨。日本に到達する頃には湿気を落とし、乾いた熱波としてやって来る。それで、日本は猛暑、といった具合。

細かい話は省略して、おおざっぱに説明するとこんなところだろうか。

もっと詳しく、そして正確な内容が知りたければ、こちら↓をどうぞ。

・地球環境フロンティア研究センター > 過去のニュース・イベント > プレス発表 > 2003/06/23 > 1994年の日本の猛暑の原因を解明 ━ インド洋ダイポール現象と東アジアの気候システムを結ぶ点と線 ━
http://www.jamstec.go.jp/frcgc/jp/press/IOD/
・(参考2)6、7、8月の平均的なモンスーンの流れのパターン
http://www.jamstec.go.jp/frcgc/jp/press/IOD/images/Ref2_J.gif

同サイトには、この他にもダイポール現象に関するリポート多数。

今年の冷夏・多雨もきっと、インド洋の水温分布が影響してるんだろうなあ。上述のヒマラヤ方面の寒波と日本の早い秋の訪れも、もちろん関係あるはず?と思う。全然調べていないけど。

参考:
・宮原三郎 (1997)世界の屋根ヒマラヤと地球をめぐる風. 酒井治孝・編著 (1997) 『ヒマラヤの自然誌 ヒマラヤから日本列島を遠望する』所収. pp.27-46. 東海大学出版会, 東京.

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(追記)@2009/09/05

(注)を追加。

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