・Giuseppe Tucci, Geoffrey Samuels(tr.) (1988) The Religion of Tibet. xii+340pp. University of California Press, Berkeley.
では、様々な厄祓い、悪霊祓いの諸相が報告されています。出典はほとんどないので、Tucci先生がチベット各地のフィールド調査で採集したものと推察されます。
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こちらでは、邪気、邪念、厄、悪霊をドン གདོན་ gdonと呼んでいます。これは初回に解説したゲク གེགས་ gegs/བགེགས་ bgegs、シェー གཤེད་ gshedを皆含んでいます。このあたりの違いや用法については、まだまだ調査が必要。もしかすると地域性もあるのかもしれません。
ドンは
T1. チドン ཕྱི་གདོན་ phyi gdon(外のドン):人格化したもの(悪霊など)
T2. ナンドン ནང་གདོན་ nang gdon(内のドン):邪気・邪念
T3. サンドン གསང་གདོན་ gsang gdon(秘密のドン):ヨーガ修行の過程でルン རླུང་ rlungの誤使用・制御失敗による狂気・厄
と区分されています。これは
2016年6月10日金曜日
ンガッパ・イェシェ・ドルジェ・リンポチェの悪霊祓い(1)ゲクとシェー
で紹介したCDにおけるゲクの解説
CD1. 内面的なゲク:精神の迷い、精神の異常、妄想
CD2. 隠れたゲク:神経管をふさぎ、精神の錯乱をもたらすもの
CD3. 外的なゲク:幽霊のようなもの、取り憑く死霊
と同じ話のようです。T1=CD3、T2=CD1、T3=CD2に相当します。
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