2016年6月4日土曜日

「黄金のアフガニスタン」展に行ってきました

これもだいぶ前なんですが、

「特別展 黄金のアフガニスタン 守りぬかれたシルクロードの秘宝」展. 2016/04/12~06/19. 東京国立博物館表慶館, 東京.


(ポスターは以下のサイトからお借りしました)
・e+イベント・アート・シネマ情報 > アート > 特別展 「黄金のアフガニスタン―守りぬかれたシルクロードの秘宝―」2016年4月12日(火)~6月19日(日)東京国立博物館 表慶館にて開催!
http://sp.eplus.jp/event/2015/12/2016412619-2400.html

を見てきました。上野公園は修学旅行の中学生でいっぱいでしたね(5月上旬)。

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展示品は、アフガン内戦時代の1989年にアフガニスタン国立博物館から密かに運び出され、大統領府にある中央銀行地下金庫に保管されていた秘宝たちです。

内戦時代からTaliban時代にかけて、砲撃でボロボロになり、内部もあらかた略奪と破壊を受けた国立博物館の無残な姿を覚えている人も多いことでしょう。
http://cdn.historyextra.com/sites/default/files/imagecache/800px_530px/gallery/Untitled-1.jpg

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Taliban支配時代も誰も口を割らず、2004年ついに陽の目を見たのが今回の展示品です。

時代はGreco Bactria時代(BC256~BC85、インド・グリークとしてはca.AD10まで続く)(Ay Khanum)、とKushan朝時代(1世紀前半~3世紀中)(Tillya Tepe/Bagram)が中心。

墓から発掘された装飾品と副葬品が大半になります。それも黄金が多い。特に女性は食い入るように見入っていたのが印象的。

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装飾品はSkythaiを思わせる意匠のものが多く、中央アジアの遊牧文化を色濃く感じさせるものでした。移動を常とする遊牧民は財産をあまり多く持てないので、財産は黄金の装飾品として身に付けることになります。

ハート型の装飾品が多いのが印象的。かといって、それがハートを表すものとは限らず、葉っぱの意匠かもしれないのですが。

海の模型は面白かったなあ。銅製の現物は当然ボロボロに錆びているので、復元品があるのもよかった。

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今回の展示は仏教色がほとんどないのも特徴。まあGandhara仏教美術はこれまでさんざん見ているので、こういう展覧会もまたよい。

インド~アフガンあたりの展覧会というと、年代的にはいつもKushan朝止まりなのが不満。昨年の「インドのイム」展では、珍しくPala朝(8世紀後半~12世紀後半)時代の仏像・仏画が多かったのがうれしかった。

アフガニスタンでは、Ephtal時代(ca.450~564)のものはあまりないにしても、その後のKhingal朝時代(6世紀後半~7世紀中)、Kabul Turk Shah時代(7世紀中~9世紀中)、Hindu Shah時代(9世紀中~1014)の遺物(仏教/ヒンドゥ教/よくわかっていない土着の宗教)は結構あるはずだ。その辺もいつか見たい。

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