まだ書いている途中ですが、もう始めます。おそらく20回を超えるシリーズになります。
こんなになるとは思っていなかったんだけどなあ。ま、いつものことですが。
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・植島啓司 (2014) 『処女神 少女が神になるとき』. 集英社, 東京.
Kumariを取り上げたTV番組にもしばしば登場する植島先生が、30年に渡る調査研究をついにまとめ上げた著作がこれです。あまり話題になっていないのが残念。本自体も、かなり大きい書店、もしくは学術書に強い書店でないと見つからないかもしれません。
これは、初出が「青春と読書」であることからもわかるように、学術書ではないのですが、かなり学術的な内容ではあります。
立ち位置が中途半端な感じはしますが、私のような中途半端な人にはかえってピッタリ(笑)。失礼。
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調査旅行記を時系列順に並べたものを軸としていますから、旅行記として読むことも出来ます。
途中に、ガルシア・マルケス『百年の孤独』やらナボコフ『ロリータ』などの話が挟まります。論を補足するのに必要なのでしょうが、冗長な感は否めない。
結論には曖昧な部分が多く、Kumari調査・研究がまだ発展途上にあることを教えてくれます。論文や学術書ではなく、こういった一般書として発表せざるを得なかったのは、やはりまだ研究のゴールに達していないからなのでしょう。
「さすがにこの辺でなにか形にしておかないとヤバイぞ」という植島先生の焦りが伝わってきそう。
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詳細目次を作ってみました。この本をきちんと読むには、既存の目次では不充分なのです。
目次(詳細版)
003 はじめに-室生寺にて
007 ネパール語の表記その他について
009 目次
013 第1章 処女神クマリとの出会い
013 01 謎-カトマンズ調査一九八二年
018 02 宗教的象徴の性質
021 03 ネパールの歴史的背景
025 04 ネワール社会と仏教
027 第2章 インドラの祭り(インドラジャトラ)
027 01 クマリの山車を追って
030 02 カトマンズ盆地の祭り
033 03 王権強化儀礼
035 04 クマリジャトラ
039 第3章 百年の孤独
039 01 二人の少女
041 02 過剰と欠落
043 03 カトマンズ調査一九九〇年
048-049 図版1-85
049 第4章 女神の源流を求めて
049 01 クマリの起源をたどる
053 02 処女崇拝
055 03 クマリ伝説
058 04 クマリの両義性
061 第5章 仏教とは何か
061 01 仏教の流れ
063 02 ネパール仏教の特徴
066 03 輪廻転生とは何か
068 04 祭りの終わり-カトマンズ調査一九九六年
071 第6章 美人の条件
071 01 イニシエーション儀式
073 02 クマリの身体的条件
077 03 バダ・グルジュ(高僧)インタビュー
082 04 少女を神に祀る風習
084 第7章 ロリータ
084 01 処女の力
087 02 ナボコフ『ロリータ』
089 03 『ロリータ』の受難
093 第8章 祭りの全体像
093 01 インドラという神
098 02 精霊を呼び戻す-カトマンズ調査一九九九年
104 03 インドラジャトラの起源
106 第9章 美の化身アプロディテ
106 01 男が女になる病気
110 02 愛の女神
112 03 神聖娼婦
116 第10章 ロイヤル・クマリ
116 01 EXクマリ-引退したクマリたち
117 02 フィールドワーク
120 03 歴代のクマリたち
123 04 ロイヤル・クマリの日常生活
124 05 スピリチュアルな輝き
125 06 クマリの分布
128 第11章 エコール(学校)
128 01 映画『エコール』
129 02 EXクマリの実態
132 03 西欧的価値観とクマリ
135 04 イノセント
137 第12章 生き神とは何か
137 01 生き神信仰
139 02 パタンのクマリ
145 03 霊力と神であること
149 第13章 すべての女の子が神になる?
149 01 ネパールの魅力
150 02 中世の気配を残す都市
152 03 バクタプルのクマリ
155 04 ダサインの祭り
159 第14章 聖母マリアの出現
159 01 受胎告知
163 02 マリア信仰の浸透
165 03 大女神崇拝の展開
168 第15章 神はどこからやってきたのか
168 01 カトマンズ盆地の南へ
170 02 ブンガマティのクマリ
172 03 クマリの出自をめぐる伝承
175 04 マチェンドラナート神
177 05 祭りの始まり-カトワルダッハ
179 第16章 インド夜想曲
179 01 インドへ
181 02 インド・ネパール調査二〇〇三年
186 03 そしてゴアへ
189 第17章 カルナマヤの伝承
189 01 想像力
190 02 サヌ・カジ
196 03 ガネシュ・パネジュ
200 第18章 シヴァとマチェンドラナート
200 01 カトマンズ十二月二十四日
202 02 アサ・カジ
205 03 エリアーデの指摘
207 04 神の系譜・縦軸と横軸
210 05 カルナマヤとクマリ
213 第19章 観音菩薩
213 01 観音菩薩アヴァロキテシュヴァラの源流
218 02 水の神、豊穣の神
224 03 観音信仰の伝播
227 04 観音菩薩と日本
230 第20章 もう一つの祭り
230 01 処女神の新たな解釈へ
233 02 ラト・マチェンドラナートの祭り
236 03 祭りの進行-カトマンズ調査二〇〇六年
239 04 祭りの始まり
244 第21章 モロッコへ
244 01 サハラ砂漠
245 02 ラト・マチェンドラナートの大祭
247 03 ブンガマティ-二〇〇三年五月五日~十二日
251 04 クマリの臨在
254 05 神と神を祀るもの
257 第22章 観音菩薩の起源と展開
257 01 大女神信仰の支流
259 02 マチェンドラナートとクマリ
262 03 一心同体の神
265 第23章 インドラジャトラとラト・マチェンドラナートの祭り
265 01 カトマンズ盆地は湖だった
266 02 二つの祭りの関係性
272 第24章 カトマンズの街角で
272 01 仏像工房-カトマンズ調査二〇〇九年
274 02 新クマリたち
278 03 失われていくもの
281 第25章 五〇〇人クマリ
281 01 ゾンクゥ(九十歳のお祝い)-カトマンズ調査二〇一〇年
285 02 インドラジャトラ再び
287 03 カンニャークマリ・プジャ
293 あとがき-処女神よ、永遠に
298 註一覧
298 はじめに、第1~2章
299 第3~4章
300 第5~6章
301 第7章
302 第8~9章
303 第10~11章
304 第12~13章
305 第14~15章
306 第16~18章
307 第19~20章
308 第21~23章
309 第25章
310 主要参考文献一覧
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これで、本書の内容が把握しやすくなりました。
索引も必要なのですが、こちらは100ページまでやったところで飽きました(笑)。
今回は、長いのでこれだけです。
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