2017年3月7日火曜日

地名がチベット文字表記のWeb Map発見

チベットの地名で、チベット文字表記を知りたい時はどうしていますか?

私の場合は、ほとんど

ཨ་མྱེས་རྨ་ཆེན་བོད་ཀྱི་རིག་གཞུང་ཞིབ་འཇུག་ཁང་། a myes rma chen bod kyi rig gzhung zhib 'jug khang/ Amnye Machen Institute (1998) རྒྱ་དམར་གྱི་བཙན་འོག་ཏུ་གནས་པའི་བོད་དང་ས་འབྲེལ་ཁག་གི་ས་ཁྲ། rgya dmar gyi btsan 'og tu gnas pa'i bod dang sa 'brel khag gi sa khra/ TIBET AND ADJACENT AREAS UNDER COMMUNIST CHINA'S OCCUPATION 1 : 3,200,000. Amnye Machen Institute, Dharamsala.

で事足りていますが、時々

・武振華・主編, 国家測絵局地名研究所・編 (1996.8) 『西藏地名』. 32+593pp. 中国藏学出版社, 北京.

を使うこともあります。ただしこれは自治区のみ。

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Web上の地図では、もちろんGoogle Mapを使うことが多いのですが、チベットの地名は漢字表記のみなので、チベット文字表記を知る目的では使えません。

それが、偶然だったのですが、チベット文字表記のWeb Mapを発見しました。これです↓

・OpenStreetMap Foundation/OpenStreetMap(as of 2017/03/01)
http://www.openstreetmap.org/

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ラサ ལྷ་ས་ lha sa 拉薩周辺を出してみましょう。


OpenStreetMapより

どうですか?Amnye Machen Instituteの地図と比べると、ちょっと地名が少ないような気もしますが、Web上にはこれまでこういう地図はなかったのですから、最初から贅沢を言ってはいけませんね。

特に、身近にチベット文字表記の地図がない人にとっては、かなり使いでがあるはずです。

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OpenStreetMap(OSM)の特長としては、市街図がきれいなこと。

ラサ市街にズームしてみましょう。


OpenStreetMapより

美しいですね。

Google Mapなどに比べると情報量は劣りますが、地点・場所情報も今後充実していくのかもしれません。

そう、実はこのOSMというプロジェクトは、誰でも情報を書き入れることができる、いわば地図版Wikipediaなのです。だから、今はわざと情報量を少なめにしてるのかもしれません。

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結構マイナーな場所でも、市街図はしっかりしています。

これはカムのチャムド ཆབ་མདོ་ chab mdo 昌都。


OpenStreetMapより

「あなたが情報を入れてください」と言っているかのような、まるで白地図です。

重宝するのはガイドブック屋さんでしょう。昔は私も、地図も何にもないところで、コンパス(磁石)と歩測で町の地図を作っていましたが、もうこういうものをベースに地図を作ることができるようになっているのですね。

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しかしこういう市街図は、一度作れば当分OK、とはいかず、常にアップデートを繰り返さなくてはならない宿命にあります。でないと、「この地図、情報古いや」と批判され、すぐにアクセスしてもらえなくなります。ユーザーは勝手ですよね。

はたして、OpenStreetMapがその需要に答えられるかどうかは未知数です。

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チベットから国境を越えて、Ladakhに入ると、残念ながらチベット文字表記はありません。

一方、Bhutanに入ると、なんとアルファベットなしでチベット文字表記のみ???大丈夫か、これ?

インドは、Devanagariなどのインド諸文字表記には対応していません。これも残念。まあ、これはGoogle Mapが対応しているからいいんだけど。

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まだまだ不備は多いようですが、なかなか使いでがあります。今後にも期待しましょう。

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