2015年3月7日土曜日

ヒマーチャル小出し劇場(22) ティロパの聖地Trilokpur

Kangra県西部Trilokpur(त्रिलोकपुर)。Trilokinath(त्रिलोकीनाथ)という洞窟が、ヒンドゥ教、仏教の聖地として崇められています。
















これは石灰岩体内にできた鍾乳洞です。鍾乳石や石筍をシヴァ・リンガと見立てて、シヴァの聖地としたわけ。

一方、仏教徒にとっては、カギュパ祖師ティロパ(ཏི་ལོ་པ་ ti lo pa)が瞑想した場所、ということになっています。近くにはカルマ・カギュパの尼寺もできています。

Dharamshalaより西に行く旅行者は少ないようですが、Pathankotへの街道沿いにありますから、ここでちょっと途中下車してもいいですね。

5 件のコメント:

  1. Trilokpurって、他にもあるんですね。
    Trilokinathも他にあって、
    Udaipurの方にもあるんですね。
    興味深い。

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  2. Trilokinathとは「三界を支配する神」という意味で、シヴァの異名です。ですから、TrilokinathとかTrilokpurという寺名・地名は、インドにたくさんあると思いますよ。Mandiにもあります。

    LahaulのTrilokinath(地元訛りでは、私には「ティロキナート」と聞こえました)も同じです。実はあの大理石のチェンレジ(観世音菩薩)像、ヒンドゥ教徒にとってはシヴァ像なのです。

    シヴァと観音じゃぜんぜん違うと思うかもしれませんが、観音のインド名Avalokiteshvara(अवलोकितेश्वर)の後半にちゃんとシヴァの異名Ishvara(ईश्वर)が入っています。観音は思想的にも図像学的にも、シヴァから派生したと見られる点が多いのです。

    それがはっきりわかるのが、Nilakantha(नीलकंठ 青頸観音)です(チベット仏教では一般的ではありませんが)。これは、乳海攪拌の際に溢れでた毒を、世界を救うためにシヴァが飲み込み、その毒は喉で止まった。そのために、シヴァは喉だけ青くなった、という神話です。それがそのまま観音の一形態になっているわけです。

    荒ぶる神の側面が強調されることの多いシヴァですが、ここでは慈悲深い側面を見せてくれます。その部分が観音に発展したようです。

    仏教図像を理解するためには、ヒンドゥ教の図像もよく知ってなくてはいけません。Naruni Ratnaさんには釈迦に説法でしょうけど。

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  3. Avalokiteshvara、Ishvaraの「shva」は、「&T」みたいな字で入力したんですが、ブラウザによっては「2す」みたいな字で出ているようです。どちらも「shva」になりますが、「&T」の方が正確です。でも、おもしろい現象ですね。

    もっとも、最近ドイツ語では「ß(エスツェット)」が使われずに、「ss」で代用されているように、Devanagari文字でも今後簡素化されていくのかもしれません。現状で、「&T」を「2す」で代用してもいいのかどうか、私にはわかりませんが。

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  4. ちょっと説明不足なので補足。

    「shva」を表す「श्व(&Tみたいな文字、化けてたらごめん)」は、「श(sha)」+「व(va)」をくっつけて変形した結合文字です。

    ですから、これを「श(sha)」+「व(va)」をくっつけて"変形しない"「2す」みたいな形で表しても音に変わりはないのですが、その字形は一般に許容されているのか?がわからない、ということでした。

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  5. 「釈迦に説法」、恥ずかしいですね、
    「シヴァと観音」の関係や「Nilakantha」も知りませんから。

    ぼくのブラウザ(safari)は「2す」です。

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