2016年9月21日水曜日

代々木の魔窟 東豊書店 続報

約3ヶ月ぶりに東豊書店に行ってきました。

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2016年6月7日火曜日 代々木の魔窟 東豊書店 健在なり!

で述べた通りで、10年たっても何も変わらんのに、その後3ヶ月位では変化があるはずないんですが(笑)、今回は写真があります。

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これが代々木会館。素人衆には廃墟にしか見えない。看板のビリヤードだの金物店だのはとっくに退去。以来ずっとあのまま。テナントで生きているのは、3階東豊書店、1階立ち食い寿司屋、それと1階きぬちゃん食堂も生きているようでした。
















この斜めからのアングルはお馴染み。屋上は崩壊寸前。真下の空き地にはあまり長居しない方がいい。




















バックにドコモタワーを入れると、シュールな絵になる。

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入口には木製の扉が付いている。夜間・休日に侵入者が来ないように。階段にまで本や荷物が積んであるから。もっとも、ここの本盗んでも売る場所はない(笑)。















この看板も十年以上このまんま。懐かしの昭和テイスト。















店の入り口の外に本が山積みで、本や荷物は階段をも侵食している。行くたびにどんどん増えてる。店内は「本圧」がすごくて気詰まりなので、店主は入り口外の椅子に座っていることが多い。

(追記)@2016/10/11

ちなみに店の入口は向かって左側。正面は実は閉店したビリヤード屋の入口だったのだが、すっかり東豊書店の本に占拠されている。










中の棚はこんな具合。本の圧力がホントもう・・・。











見上げても、天井までこんな。閉所恐怖症の人は行くな。
















行けども行けどもこんな感じ。一応エアコンはついてる。

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今回も買ってきましたよ。ええ高い本を。だって見つけちゃったんだから、買わざるをえないでしょうが。

・林冠群 (2011.8) 『唐代吐蕃史研究 བོད་ཀྱི་བཙན་པོ་ལོ་རྒྱུས། bod kyi btsan po lo rgyus/』(聯經學術叢書). xix+850pp. 聯經出版事業, 台北.













林先生は台湾の方。すでに

・林冠群 (2006.9) 『唐代吐蕃史論集』(西蔵通史専題研究叢刊). 471pp. 中国藏学出版社, 北京.
・林冠群 (2007.10) 『唐代吐蕃歴史与文化論集』(西蔵通史専題研究叢刊). 426pp. 中国藏学出版社, 北京.

の2冊を持っているが、上掲書はその集大成。分厚い。これから読むのが楽しみだ。

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『唐代吐蕃史研究』はえらい高い本なんですが、調べてみると日本では東豊が一番安いことがわかった。意外。

東豊は、最近大陸の本はやたら高くてなかなか買えないんだが、台湾の本は比較的安いことがわかった。流通ルートの関係だな(店主は台湾出身)。

というわけで、思ったよりいい買い物ができた。200円もまけてくれたし。

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店主は、ちょうど台湾へ本を送る作業をしていた。変な話でしょ。台湾から輸入した本を、また台湾に送るんだから。

で、訊いたら、この店には台湾から「台湾の本」をわざわざ買いに来る客が多いんだそうな!!

というのも、この店には1980年代から全く動かないような本(一般には不良在庫という)が、(比喩でなく)山のようにあるのです。そういった古い本は、今や台湾でも手に入らないので、それでわざわざ台湾からこの店に本を探しに来るんだそうな。

ネット上の情報でも、日本人が台湾の古本屋に行ったところ「その本は、あの店ならあるかもしれない」と言って、東豊書店に電話していた、なんていう具合。すごい店なんですよ。

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帰り際に「まだまだお元気でお店やってください」と声をかけたら・・・

「でもねー、永久に店ができるわけじゃないからねー」と、珍しくちょっと弱気な店主(87歳)。

代々木会館に関しては何やら動きがある、という噂もあるが、店主にはこの魔窟をまだまだ守っていてほしい。

誰か店主の伝記作ってくれないかなあ。少なくとも本の雑誌あたりに一度きっちり取材してほしいところ。














最後に、東豊書店のビニール袋。

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