あれから2度行きました。店内に10人近くいるとさすがに身動き取れない。各所で雪崩も。
奥様も総出で客の応対。簡さんもかなりお疲れ。
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天井まで積まれた本の山は、みっちりつめ込まれているので、通常は店主に頼まないと抜くことができない。さすがにそれも、売れたり、下に降ろしたりで、一部は背が低くなっている。それで何冊かは山から抜くことができた。
私の目当ては、その本の山のさらに裏に潜んでいる1980年代の本なのだが、さすがに前の山がはけるところまでは行かず、チェックすることができずに終わりそうだ。残念。
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東豊書店にお世話になった話は、前のエントリーで書いているので省略するが、本当にお疲れ様でした。
あとはあの本の行方の算段がつくことを祈るばかり。
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今回の収穫を紹介していこう。
・李范文 (1983.10) 『西夏研究論集』. 3+363pp. 寧夏人民出版社, 銀川.
前回の続きで西夏ものですが、この本では、西夏本体よりも、その前後、つまり先祖と後裔について紙面を多く割いているのが特徴。
全体の4分の1を占める「西夏遺民調査記」は、1980年に甘粛、四川に、西夏滅亡後に故地に帰った(と考えている)タングート(党項)の後裔=ミニャク མི་ཉག mi nyagを訪ねた調査記。
見出しだけ記しておこう。
一. 弭葯(ミニャク)/二. 迭部(テウォ)/三. 白馬人(ベマ)/四. 瀘定(ルーディン)/五. 康定(ダルツェンド)/六. 明正土司(チャクラ・ギャルポ)/七. 西呉王(セウ・ギャルポ)/八. 木雅甲布(ミニャク・ギャルポ)/九. 木雅五学者(ミニャクの五人の学者)/十. 托托甲布/十一. 長征遺民/十二. 六巴(ルクパ)/十三. 沙徳(サデ)/十四. 木雅(ミニャク)/十五. 道孚(タウ)/十六. 丹巴(タンパ)/十七. 阿壩(ンガワ)/十八. 羌族/十九. 碉考/二十. 附記
まだ途中までしか読んでいないが、すごくおもしろい。
古くて安い本で、こういうのがたくさんほしいのだ。
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・〔唐〕慧超・原著, 張毅・箋釋 (1994.11) 『往五天竺國傳箋釋』(中外交通史籍叢刊). 11+178+一八pp. 中華書局, 北京.
新羅出身の僧・慧超(704-87)が、インド求法(723-27)の後に記した中央アジア~インド地理誌が『往五天竺国伝』。しかしこれは早くに散逸し、長らく逸文が知られるのみであった。
ところが、1908年にPaul Pelliot(1878-1945)が、敦煌莫高窟・蔵経洞でその写しを発見した。
本書は、その解釈をまとめたもの。
日本でも、
・藤田剣峯(豊八) (1931.6) 『慧超往五天竺國傳箋釋』. 92pp. 北平.
・桑山正進・編 (1992.3) 『慧超往五天竺國傳研究』(京都大學人文科學研究所研究報告). xii+292pp.+pls. 京都大学人文科学研究所, 京都.
・桑山正進・編 (1998.1) 『慧超往五天竺國傳研究 改訂第二刷』. xii+292pp.+pls. 臨川書店, 京都.
があり、必要箇所はコピーで持っているのだが、中国の研究者の意見も見ておきたい、と思ったわけ。
中国、韓国からは、『往五天竺国伝』解釈本が他にもいくつか出ているようなので、機会があれば見てみたい。
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買ってきた本はどれも面白いので、紹介も手間がかかる。しばらくこれを続けよう。
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