2012年3月3日土曜日

ヒマーチャル小出し劇場(3) タシ・ポン(絵師タシ・ツェリン)

2001年当時、キナウルでは僧院壁画のリニューアル・ブーム。どれもが極めてハイレベルで、目を見張るものがありました。人気の題材はシト(zhi khro/寂静・忿怒)百尊曼荼羅。

そのことごとくを描いたのが、今回紹介するタシ・ポン(Tashi Pon/bkra shis dpon)=絵師タシ・ツェリン(bkra shis tshe ring)。生まれは上キナウル(Hangrang/hrang trang)のチャンゴ(Chango/byang sgo)。出会った際は、新築チョルテンの装飾作業中でした。



彼が描いたシト百尊は、色彩、尊様の細やかさ、配置の巧みさ、装飾の豪華さ、どれをとっても近年のチベット仏教絵画ではピカ一の作品。そのあまりの見事さに目は釘付けで、一歩も動けなくなりました。

タシ、ごめんよ。君のことを日本に紹介できぬまま、あれから十年経ってしまったよ。いつか日本に来て、技を披露してもらおうと思っていたのだが・・・。

誰かタシを日本に呼んで、シト百尊を描かせたいという方はいないものか。腕はこの通り保障します。



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